石を彫るということ Home
石を彫るということを知ったのは、
大学一年生の頃です。

原石から一辺が30センチの四角い箱の形
(学生はサイコロと読んでいました)
を作るという実習をした時です。

何の変哲もない形でしたから
中にはつまらないと思った人も多かったんです。

その時の小松石(安山岩)は想像以上に硬く、
そう簡単に形になってくれません。
時間がいっぱいかかります。
初めて使うノミとハンマーは思うようにならず、
打ち損なって手を打つとものすごく痛いんです。

ひどく腫れた手に濡れた手ぬぐいを巻き、
それでも制作を続けました。
途中で投げ出すのがクヤシかったというよりも、
実は面白くて仕方なかったからです。

長いこと御影石(花崗岩)を彫っていました。
(←大学3年生の頃の作品。中学の美術教科書に載った)

しかし大理石に出会って
作風が劇的に変化したのでした。

人の形を彫ることが
そんなに難しいことだとは知らず、
作っていてとても悩みました。
今まで身につけて来たと思っていた
石を彫る技術がほとんど
役に立たないのを感じました。

手探りで制作するしかない毎日。
困ったときに彫り方を教えてくれる人が
誰もいないのでした。

大理石で人物像を作るのに
参考になる現代作家を
わたしは知らないのです。

でも大理石は柔らかく
思ったイメージを彫り出す
技術さえあれば
いくらでも要求に
応えてくれそうでした。

わたしは
どうやらすばらしい素材に
出会ったようです。

わたしに彫刻する体力が続く限りこれからもずっと大理石を彫っていくと思います。

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