
まずは次の2つの卵の絵をご覧下さい。ディスプレイ表示のギザギザがちょっと気になるかもしれませんが、そこのところ目でスムージングして見てやってください。

どうちがうのか2つの絵を重ね合わせて見ましょう。見やすくするために右の卵の色を赤にして、拡大しますね。

では、この2つの卵をどうやって描いたのか、たね明かしをしましょう。

左の卵は、円弧の接ぎ目で半径が唐突に変わり、そこでスピードが淀むので、ぎくしゃくとして見えます。また自然界には、左の卵の形は存在しません。それで不自然に見えるのですね。
右の卵は、補完曲線は半径が徐々に変わるので、スピードが落ちず、自然に滑らかに見えるのです。
人間の目は、形を寸法で捕らえるのではなく、視線がラインをなぞるスピードとして形を認識するのです。ですから、このような微妙な差も見分けてしまうのです。
左の卵の形はコンパスで簡単に描けるのですが、右の卵の形を描くということは、かつては職人が或いは絵描きが、何年も修行して会得した技術だったのです。 昔から残っている名品と言われるものは、工芸品でも美術品でも、みなこの右の卵のような滑らかな曲線が使われているのです。この補完曲線、現在ではパソコンでわけなく描くことができます。
今、世界に溢れるメイド・イン・ジャパン。大手メーカー製の家電でも自動車でも、一部を除いて今だに左の卵のデザインががまかり通っているのが現状、これでは「性能は一流でもデザインは二流」の烙印が外れるのは、まだまだ遠いことでしょう。
余談ですが、イタリアの工業製品のデザインは良く出来ていて、ほとんどが右の卵のデザインです。ところがドイツ製品には左の卵のデザインが多いですね。ここらも国民性でしょうか。
いくら耐用年数200年のお椀を作っても、左の卵のようなデザインでは、早いうちに飽きられてしまいますね。まずは、末代にまで残したくなるような好まれるデザインでなくては。
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