
音響変換効率100パーセントのホーン、なんて現実に出来るわけありませんから、結局少なからずホーン鳴りは残ります。そのホーン鳴りを敵にするか、あるいは味方に付けるか、ここからが箱の材質が音に関わってくる段階です。
すべての材料は、固有の音色というものを持っております。木材、金属、接着剤、塗料まで、振動すれば必ず固有の音を出します。数多ある材料の中で、どの材を使うか?最後まで頭を悩ませる問題です。
ひとつの方法としては、聴いてみて「イヤミな音を出さない」材料を選ぶ、という消極的方法。
もうひとつは、過去数百年に渡って使用され、淘汰され、生き残った材料(つまり楽器用材)を使う、という方法。これは「良い音を出す」という積極的理由で使われてきた材ですから、ホーン鳴りを味方に付けるには最適の材料である可能性が高い。
ひとつ傾向として言えるのは、試作を繰り返してホーン形状の完成度が高くなればなるほど、軽い材料が使える。ということ。
一般にスピーカーエンクロージャーには重厚な材料(比重0.7以上)が好まれますが、今回のバックロードホーンではマツ科(比重0.5)を通り越して、すでに杉(比重0.45)がベストマッチング。
ホーン形状を詰めれば、低音は材の重さで出すのではなく、ホーン形状で出すものという認識が出来てきます。
リンゴを磨く音
そして高音については、バイオリンの高音域がギシギシならずに、キュッキュッというリンゴを磨くような音が再生されるかどうか。
杉のホーンでは見事に再生されました。エッセイ40に続く。
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