
様々なバックロードホーンの模式図を顕わします。
(1)旧来の一般的なバックロードホーンの形式。
左端の第一キャビにスピーカーユニットが付き、スロートを絞り、そこにエクスポネンシャルホーンがつながる。
第一キャビの容量とスロート断面積によってホーンのカットオフ周波数の上限が決まり、ホーン長さによって下限が決まる。
実際には、木工でエクスポネンシャルホーンを作ることが困難なので、この形はほとんど見られない。

(2)上記(1)のホーンを、直線をつなげた(コニカル)疑似エクスポネンシャルホーンとしたもの。
例:オールドタンノイ、ローサー、初期の長岡式バックロードホーン等。
曲げ合板など使用して無理して(1)を作るよりも、音の良い材料を使ってこの(2)を作るほうが、ずっと現実的。

(3)もっと簡略化して、階段状疑似エクスポネンシャルホーンとしたもの。
例:中期の長岡式バックロードホーン、長岡式スワン、フラミンゴ等。
直角ばかりの木工となるので工作難易度が低く、アマチュアが作るバックロードホーンと言えばたいていがコレ。ホームセンターで合板をカットしてもらえば簡単に作ることができる。
長岡師は、この階段状ホーンでも、音は(1)(2)と大差ないと言われているが、実際には特定の周波数にピーク、ディップが発生しやすく、製作後のチューニングが困難。まぁこの困難もマニアの楽しみのひとつではあるのだが、、、

(4)上記(3)の第一キャビを細長くした。
例:後期の長岡式バックロードホーン。
なぜこういう形にしたのか良くわからないが、かの名器の誉れ高い長岡式D-55x、D-77xなど、ゾロ目シリーズがこの形。
長岡式バックロードホーンは、この形によっていちおう完成の域に達したと見られ、その後ネッシー形に発展していく。

(5)ご存じ、ネッシー。
例:長岡式ネッシー属。
これはスロートの絞りがないので、もはやバックロードホーンとは呼べないか。しかし音はたしかにホーンロードが掛かっているので、バックロードホーンと呼んでもかまわないか?ビミョーなところ。
このネッシーは、晩年の長岡師自身のリファレンスでもあり、長岡教団の最終兵器であった。
ところが、長岡師は晩年良いユニットに恵まれず、このネッシーにもサブウーファーを加えて使用していたことが残念である。
もし長岡師が生前にFeastrexに出会えていたならばと、残念でならない。
長岡鉄男 2000年(平成12年)5月29日没。

(6)ネッシーの発展形。
例:田中式、2008年RMAF制覇モデル。
ネッシーの階段状ホーンを、コニカルホーンに変えただけ。アイデアはすべて長岡師の遺産からの頂きもの。師に感謝。
Feastrexの強力励磁型フルレンジユニットを得て、ネッシーの実力が初めて発揮されたと言って良かろう。

(7)田中式、新型バックロードホーン。
例:田中式、表紙の新型バックロードホーン。
この(7)からが私のアイデア。
広がりっぱなしの(6)のホーンの途中を、やや絞ることによって、
1、低音に確実にホーンロードを掛けることができ、最低音と共に中低音が充実。
2、ユニットの下位互換性が向上。励磁型でなくとも、Feastrex Nf-5で確実に低音28Hzまでがグリップ。
3、エンクロージャーの小型化に成功。ネッシーは一般家庭には大きすぎる。
4、バックロードホーンの低歪みでハイスピードな低音と、ネッシーの開放感ある音色との、両方の長所を同時に得ることができた。エッセイ42に続く。

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