
最近新しい精製方法で、紫外線に強い漆が作れるようになりました。もちろん混ぜ物など一切なしで、特殊な方法で漆の分子を均一化するという話です。
紫外線に強いということは、屋外で漆を使用できるということで、家の外壁だとか、自動車、夏の浜辺でラブソングを奏でるウクレレ、いろいろ漆の用途が広がります。
自動車のようなせいぜい十数年しか使わない物、それのメーターパネルに樹齢何百年の銘木を使ったりするのはちょっといただけませんが、漆は先にも述べましたとおり農産物ですから、いくら使ってもかまいませんね。
たしかに漆がもったいないかなとは思いますが、まぁ、エコの面から見ると石油塗料よりはずっと良いし、これが漆の消費拡大、石油の消費削減に繋がれば良いでしょう。
以前、新築の玄関に漆塗りの下駄箱を作ってくれないかと相談されたことがあります。
話を聞けば、その下駄箱というのが今流行の作り付け家具。壁の中にスッキリおさまるタイプのものなのです。
しかし考えてみれば、このタイプの作り付け家具は取り外しができないので、いくら良い材料で良い漆を塗っても、家が取り壊される時には運命を共にすることになります。
みなさんご存じのように今の日本の住宅は消費財でして、耐用年数は平均40年。
そこで私はお客さんにこう提案したのです。「わたしの作品が40年そこらで壊されてはたまらんです。イギリスの家具のように何代も使ってほしい。据え置き型の下駄箱に設計変更してくれませんか。家より下駄箱のほうがエラいんです。」
それっきり返事がありませんね。
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