
ついでに、JAPANING=漆を塗る、という意味です。すでに欧米では通用しないようですが、いちおうまだ英和辞典にも載っています。死語だから使うなってのは本末転倒で、言葉ってのは生きているものですから、我々日本人が「Japanese Lacquer Ware」などじゃなくて「このお椀はJAPANだ!」と言い続けていれば、JAPAN=漆、漆器、もそのうち復活するでしょう。
話がそれてしまいましたが、
漆が最強の塗料だ云々ということはよく知られていることなので、ここでは割愛させていただきます。とにかく、下地塗りからすべて漆を使わないと、耐用年数200年のお椀は作れないことだけは確かです。
作家というのは、なにか強烈な主張を持っていないと創作活動なんかできるものではありません。
色々な型や塗り方のお椀をたくさん提示してお客さんに好きな物を選んでいただく、というようなことを我々作家はやりません。ちょっと極端な言い方ですが、「このお椀以外にはありえない!」というものをひとつだけ出し、その主張を買っていただくというのが作家の仕事なのです。
ところがここに来て、どうしてもひとつに収束できないものが出てきたのです。それは、「生漆」と「朱漆」なのです。
材料の木目を引き立たせるには、生漆の拭漆が最適です。木目というのは人智を超えたもの、言わば「神の作り賜う最高の抽象画」であり、その画を生かすということは木工家として最大の武器なわけです。
ところが朱漆というものも、「知られざる神代の大古から存在し、使われていた塗料」で、その深遠な色は何物にも負けない強さを持っています。 福井新聞社さんの記事から参照。
これはもう、2つ作るしかないですね。


トップページに戻る