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[吉野家チェーンの旦那]
今日は何を勉強するのや。何でや。ややこしい英語で言われても分からん。日本語で話してや。
[知りたがりやの田中さん]
一寸一寸聞いてや。私、寺井病院に診察に通ってるけど、診察室の前の廊下に座ってると、面白い事件が起きているのに気がついたんや。
一番端の診察室では谷内先生が高血圧の患者の診察をしてなさるはね。その横の診察室では、清野先生が糖尿病の診察をしてなさるのを知ってるやろ。ところが最近、谷内先生の診察が済んだ人が、そのまま帰らずに、隣の清野先生の診察室に入っていくんや。初めは、谷内先生の診察にくっつりせんと清野先生の診察を受けるのかなと思っていたんや。
ところが、なんとなんと、清野先生の診察が済んだ人が、谷内先生の診察室に入っていくんや。気をつけてみていると、何人もの人が、両方の先生の診察を受けているのに気がついたんや。なんでやろーね。
[なんでやろ班の坂田さん]
それは面白い事に気がついたね。ひょっとすると、高血圧と糖尿病の両方の病気を持った人が結構居るという事かもしれないね。どんな人達かな。若い人か年寄りか、男の人が多いのか、女の人が多いのか。
[メールオタクの吉田さん]
私、前に、先生から「死の四重奏」「Xシンドローム」の話を聞いたことがあったのを思い出したわ。高血圧と糖尿病と高脂血症と肥満の4つがあると、脳卒中や心筋梗塞になる危険性が高くて寿命が短いという話や。それかも知れんね。
[知りたがりやの田中さん]
そう云われると、女の人が多いかな。そやそや、太っている人が大そうやし、お腹が出てるかな。
[ミトコンドリア博物館長]
そろそろ私の出番かな。皆さんの観察の鋭いのにびっくりしています。
皆さんは、お医者さんでなく、なんで私が出てきたのか不思議そうな顔をしていますね。これから始まるお話は、後になると分かりますが、私の居る水戸黄門が管理するミトコンドリアと関係が深いのです。遺伝子を勉強した人は、覚えていると思いますが、もともとは約15億年前、酸素を使って生きている細菌が侵入して、共生するようになり、発電所になったと云う事でしたね。詳しいことは、遺伝子の勉強にまかせて、話を進めましょう。
さっき皆さんの話題になっていた、寺井病院の事件も、死の四重奏の話も、皆つながっているのです。寺井病院で起きた事件が、日本中、世界中の病院で起きているのに医者が気付いたのです。
そこで、初めは別々の病気が重なり合併して大変危険だと考えていましたが、色々調べて行くうちに、どうもその病気を起こす犯人が一人らしいという事が分かってきました。そこで、医者が集まって、取りあえず、そのような状態に「メタボリック症候群」という名前をつけました。日本語に直すと「代謝症候群」となります。
[しりたがりやの田中さん]
それでも分からん。分かるように説明して。
[ミトコンドリア博物館長]
分かりました。日本語を分解すると、「代謝」という言葉と「症候群」という言葉に分かれますね。後の「症候群」と言う言葉は簡単で、皆さんがよく知っている症状がいくつも集まったものと考えてください。どんな症状の集まりかは後で話します。
問題は初めの「代謝」と言う言葉なんです。これからゆっくりと勉強していきましょう。簡単に言えば、ご飯やおかずを食べたらそれがどうなるか、何故食べないと死ぬのかと言う話なのです。この話を勉強していくと人間の体の不思議さ、神秘さ、巧みさに驚嘆しますし、このなかに40億年の進化の歴史が残っている事に驚きます。この代謝の仕組みが、どこかで狂って来るのが代謝障害なのです。その症状がいくつも重なって症候群になります。
[ノーベル賞をめざす竹田さん]
だんだん面白くなりそうやな。昔学校で、新陳代謝という言葉を聴いた事があるけど、何かが体の中に入って、何かが出来て、いらん物が出て行くという話しやな。
[ミトコンドリア博物館長]
さすがノーベル賞をめざす竹田さんですね。代謝と言う言葉は、いくつも意味がありますが、先ず、簡単にいうと、取り入れたものを「こわす」新しく必要な物を「つくる」という事です。これは、生命が40億年前誕生してから変わらない自然の法則です。もう少し、作ったりする中味を調べると、生きていく為のエネルギー(力)と体を作ると言う事です。べつの言葉で言うとこわしてエネルギーを取り出す事を「異化」、体を作る事を「同化」とも言います。
皆さんは、毎日、生きる為に何を取り入れていますか。
[吉野家チェーンの旦那]
そら空気を吸って、ご飯やおかずを食べとるは。酒も飲むけどな。
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